10月11日付

10月11日 09:19

 病院待合室でのお年寄りの会話。「最近、あの人を見かけないけど」「体調を崩してるらしいよ」。医療費問題を扱った本だったか、思わず笑ったジョークを思い出した▼厚生労働省が医療機関への上手なかかり方を広めようと有識者懇談会を始めた。上手なかかり方? と、けげんに思ったあなた。いざ自分が、子どもがその時になり、どこを受診するか、そもそも今行く必要があるのか迷い、開いている大病院に走ったことは▼結果、時間外や土日に患者が集中して大混雑。しかも翌日まで待っても問題ない患者だとすれば…。医師の長時間労働を改善するには是正すべきだし、医療の質・安全確保につながり患者にもメリットがあるというのが趣旨らしい▼ファストフードよろしく「いつでも」「安く」「質の高い」医療が受けられるのは理想だ。しかし、この並立は現実には難しい。質は落とせない、値段は上げられない。ならば「上手なかかり方」でアクセスを絞って崩壊を防ごうということか▼医療側にも問題はある。CTなど高度な検査機器は主要国中最多。患者の「検査してもらいたい」「薬を出して」という要望と相まって過剰医療が行われ、医療費高騰を招いているという指摘だ▼月並みだが気軽に相談できるかかりつけ医を持つことが大事ということだろう。そして医療者に“お任せ”にせず、権利として医療に参加し受けたい治療を自ら選択していく。うるさい患者と思われる? いえいえ、そんなドクターはとっくに少数派です。