9月14日付

9月14日 09:22

 平成という時代を駆け抜けた歌姫があす、ついにマイクを置く。1年前、今月16日に引退すると表明した歌手の安室奈美恵さんが現役最後となるステージ会場に選んだのは、故郷の沖縄だ▼14歳でメジャーデビューして以来、ミリオンセラーを連発。細い眉に茶髪、厚底ブーツにミニスカートという彼女のスタイルをまねる女性は「アムラー」と呼ばれ、社会現象にもなった▼若くして結婚、出産を経験。30代になってもミニスカートを違和感なくはきこなし、研ぎ澄まされたステージパフォーマンスを見せる。周囲にこびることなく独自の道を切り開く姿はすがすがしく、彼女に勇気付けられた人も多いはずだ▼沖縄を象徴する存在で、2000年の沖縄サミットのイメージソングを歌い、今年5月には県民栄誉賞を受賞した。沖縄の魅力をPRする県の事業のポスターやBGMにも無償で協力。自身のフィナーレを飾る場所に選んだことからも、故郷への思いの強さがうかがえる▼その安室さんが「帰ってくるたびに初心に戻してくれる場所」と語る沖縄できのう、知事選が告示された。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非を主な争点に、与野党が対決する事実上の一騎打ちの構図だ▼投票結果は、今後の移設計画に大きく影響する。国土面積の1%にも満たないのに、在日米軍専用施設の7割が集中する基地の島・沖縄。安室さんが「多くの人に愛される沖縄であるように」と願うこの島の未来を、候補者はどう描こうとしているのだろうか。