9月12日付

9月12日 09:03

 晴れれば夕暮れの西の空に細長い月が浮かぶ。今日は旧暦の8月3日。「三日月」は広義には新月と上弦の間、弓形の月を呼ぶが、正確には旧暦3日の月を指す。程なく沈み、出るのは日が昇ってからで会える機会は意外と少ない▼月は満ち欠けによって多くの呼び名がある。満月の後、夕方に昇る月は今か今かと立って待つので「立待月[たちまちづき]」、さらに遅く出る月は座って待つ「居待月[いまちづき]」、さては「寝待月[ねまちづき]」▼月に親しみ、出るのを待ちわびていたということだろう。夜に街灯やネオンがあふれ、満月の明るさにも気付かなくなった現代人には程遠い感覚かもしれない▼さて、この人はどんな気持ちでその時を待っているのか。自民党総裁選に立った石破茂氏である。3選が有力視される安倍晋三首相に真っ向論戦を挑んだものの、北海道地震で演説会は延期。やっと実現したと思ったら今度は相手がロシアへ飛んだ▼仕切り直しは帰国後の14日だが、首相はなるべく直接対決を避ける戦略らしい。党選管に公務の優先を要請し演説会も大幅に減るという。しかし総裁選びは国のトップ選びでもある。憲法改正、地方創生、社会保障改革。国の未来を丁々発止で語り合う機会はもっと設けるべきだ▼とりわけ国民が待ち望むのは行政や政治不信を招いた森友・加計の総括だろう。首相は「批判を真摯[しんし]に受け止める」と語ったが、何度も聞いたし、一方で野党の質問をはぐらかす場面も度々見てきた。安全運転に徹し、3選後は一気に加速? これも見たような。