9月3日付

9月3日 09:20

 世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界「OZ(オズ)」が人工知能・ラブマシーンに乗っ取られてしまう。2009年にヒットしたアニメ映画「サマーウォーズ」は、近未来のネット社会の危うさが描かれている▼もはや映画の世界と言えないほど、ネットは私たちの日常生活の隅々に入り込んでいる。電車やバスの中でも学生らがスマホとにらめっこしている風景は珍しくない。かく言う筆者もその一人であるのだが▼その危うさを改めて実感する事態だ。厚生労働省研究班の推計によれば、病的なネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増していることが分かった。その数は全体約650万人の7人に1人に当たる93万人、“予備軍”を含めると254万人にも上るという。便利さの裏に潜む闇の拡散ぶりにがくぜんとする▼暴力や引きこもり、うつ病などを引き起こす恐れがあるというネット依存。12年には、中国の研究者が麻薬中毒の患者と同じ脳の異常が起きていると警鐘を鳴らした。その中国ではかつての「アヘン戦争」のトラウマからか、国を挙げて対策に乗り出している▼映画では主人公の男子高校生が思いを寄せる先輩の実家を訪れ、そこで老若男女の親戚たちと協力し合って地球規模の危機に立ち向かっていく。映画のキャッチコピーは「つながりこそが、ボクらの武器。」▼学校の多くはきょうから新学期を迎える。闇に陥っている子どもたちはいないか-。同じネットでも人の目のネットワークを張り巡らしたい。