12月7日付

12月7日 09:04

 中学生プロ藤井聡太四段の29連勝や、引退後もメディアに引っ張りだこの「ひふみん」こと加藤一二三・九段…。話題に事欠かなかった今年の将棋界だが、最後を締めくくったのは、やはりこの人だった。平成の最強棋士・羽生善治さん。史上初の「永世7冠」達成である▼著書『決断力』(角川ONEテーマ21)によれば、将棋との出合いは小1の時。同級生に教わったのが始まりだった。「『どうなるのだろう』『なぜなのか?』と考えるのが好きだった私は、とりつかれたようにのめり込んでしまった」▼小6で二上達也九段に入門。奨励会を3年で駆け抜け、15歳で史上3人目の中学生プロとなった。1989年に19歳で初タイトルの竜王を奪取。96年には7冠を独占した▼永世7冠の称号を得るまでには28年を要したが、羽生さんの真骨頂は、その間ずっとトップ棋士として戦い続けてきた点にある。最近は人工知能(AI)にも強い関心を寄せるなど、旺盛な探究心は47歳になっても変わらない▼著書にはこうある。「十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている」「一瞬のひらめきよりも、継続できる情熱を持てる人のほうが長い目で見ると伸びる」▼クリスマスも間近。子や孫に今年は将棋セットを、と考えている人もおられよう。モノと情報があふれ返る現代だが、一つのことに熱中し続け、誰もたどり着けない頂点まで登り詰めた人もいる。そんな一言を添えてプレゼントしてはどうだろう。