8月5日付

8月5日 07:48

 お盆の帰省シーズンを迎えるが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、帰省する側も迎える側もどうすべきか悩ましい事態になった▼帰省を断念し、予約済みの飛行機や新幹線のチケットをキャンセルした人もいるに違いない。ただでさえ混乱している中、それに拍車を掛けているのが「またか」と言いたくなる政府のちぐはぐな対応だ▼西村康稔経済再生担当相は2日、実家の祖父母ら高齢者に感染が広がる恐れがあるとして「慎重に考えないと」と述べた。すると菅義偉官房長官は翌日、一律に自粛を求める考えはないと軌道修正。それでも西村氏は重ねて注意を喚起するなどかみ合っていない▼蒲島郁夫知事は昨日、帰省の自粛を求めた。国も早く統一見解を示すべきだ。コロナ対策分科会を週内にも開いて帰省を議題にするというが、のんびりしてはいないか。今週末から盆休みという人もいるだろうに。国の対応に振り回された揚げ句、急な予定変更を強いられてはたまらない▼感染拡大のリスクだけでなく、今年の帰省で迷うのには近所の目もありそう。行政の考え方が示され、それに従っているのであれば気にする必要はなくなるはずだ▼帰省はもともと、単に古里に帰るというだけではなく、帰って両親の様子をよく見るという意味の言葉だ。現代は離れていてもコミュニケーションをとる手段は多い。帰省しなくても、それらを利用して帰省の持つ役割を果たすことは可能だろう。誰に気兼ねすることなく帰省できるのが一番だが。