4月6日付

4月6日 06:57

 新型コロナウイルスの広がりとともに日常的な場面の一つになったのは、自治体の首長さんたちの記者会見だろう▼新聞、テレビ、インターネットを通じてだが、これほど毎日いろんな首長さんたちを目にしたことはない。同じ感染の公表や外出自粛を要請するにしても、言葉や身ぶりに人柄がにじむようだ▼「弟クリス・クオモ(CNNテレビニュースキャスター)が検査で陽性となった」。こう明かしてウイルスへの警戒を訴えたのは米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事だった。会見での発言が論理的で人間味溢[あふ]れると人々の共感を呼んでいるらしい▼大統領選には立候補しなかったが、民主党の所属。対抗する共和党のトランプ氏は「大統領選に出ていれば、寝ぼけたジョー(バイデン前副大統領)よりも良い候補だっただろう」と言ったとか。もっともクオモ知事も、州内での爆発的な感染者増加の責任を問われている▼「私のような者にとっては、旅行や移動の自由は、苦労して勝ち取った権利です」。旧東ドイツ出身のメルケル独首相は、分断国家時代の不自由な経験を踏まえ、国民に移動制限への理解を求めた。指導者にいま必要なのは、それぞれの身から醸し出される信頼感ではないか▼さて身近なわがリーダーたち。「コロナのバカーーーーっ!」とツイートした熊本市長の大西さん。県民への最初の外出自粛要請を文書で行った知事の蒲島さん。「布マスクを2枚配布」と打ち上げた安倍首相。醸す方も恐る恐るに違いない。