4月4日付

4月4日 08:01

 <はなをこえて/しろいくもが/くもをこえて/ふかいそらが/はなをこえ/くもをこえ/そらをこえ/わたしはいつまでものぼってゆける>。谷川俊太郎さんの詩「はる」の一節である▼きょうは二十四節気の一つ「清明」。すべてのものがすがすがしく、明るく美しいころとされる。さまざまな花が咲き乱れ過ごしやすくなる。柔らかなイメージにあふれた谷川さんの作品のように、人の世も希望に満ちあふれる季節である▼ところが現実は季節と裏腹だ。まるで菜種梅雨がいつまでも続いているよう。特に子どもたちはひときわ重苦しさを感じているのではないか。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、熊本市立の小中高校などの臨時休校が延長されたからだ▼週明けに方針を決める県立各学校も延長となるかもしれない。安倍晋三首相が唐突に休校を要請したのは2月末。3月初めから休校が始まりそのまま春休みへ。ようやく友達と会える、と心待ちにしていた子どもたちの落胆はいかばかりか▼5月の大型連休明けまで学校に通えないならば、そのストレスは相当なものだろう。これから新しい環境に飛び込む新入生はなおさらである。保護者ら支える側も疲れ切っている。共働きや一人親家庭の負担は限界に近いのではなかろうか▼政府はいったん休校要請を延長しないとしたものの、専門家会議の提言を受けて「地域ごとの判断で」と自治体に丸投げした。何とも腰の据わらない対応である。どうやら「菜種梅雨」はまだまだ続きそうだ。