4月3日付

4月3日 06:24

 熊本市の桜は今が盛り。満開の中の入社式なんて思い出深いというのに、残念ながら規模縮小や中止になったという新社会人も多いようだ。県内の四年制大学を卒業した人たちにとっては、学生生活のスタート時に熊本地震、社会人ではコロナ禍という、なんとも気の毒な巡り合わせである▼「新米」「ルーキー」「フレッシャー」…。どの呼び方にも親しみと期待が込められている。当人は気付いていないだろうが、先輩たちには、あなたたちがうらやましいほどの勢いに満ちあふれて見えるのだ▼不安な気持ちもよく分かる。当方は駆け出しのころ、取材相手になかなか顔を覚えてもらえず、思い余って丸刈りにした。「どうしたの、その頭は」と一声掛けてもらうための作戦だった。仕事がうまくいかず、トイレで涙したことも一度ではない▼職種を問わず、誰もが少なからず挫折を味わっているものだ。学生時代に自分なりに鍛え上げてきた知識や判断力、行動力が容赦なく叩[たた]きのめされることも少なくない。自分がちっぽけな存在に感じられてたまらない日もあるはずだ▼爆発的患者増やロックダウン(都市封鎖)の可能性も取り沙汰され、スタート早々の在宅勤務に戸惑っている人もいるかもしれない。だが、周囲に惑わされず、ひたすら自分を磨き続けることに努めてほしい▼社会人人生は長い。これからもいろいろなことがあるはずだ。「入社のころ、コロナで大変でなぁ」。いつか、あなたたちが新人たちにこう振り返る時がきっと来る。