12月4日付

12月4日 08:01

 沖縄言葉で「トゥーヌイービヤ、ユヌタキヤネーラン」と発音するという。十の指は同じ長さではない、という意味。玉城デニー知事のインタビュー記事で知った▼米海兵隊員を父とし、シングルマザーの下で育った玉城氏は、幼いころ養母に預けられていた。目立つ風貌をいじめられて帰ってくると、その養母が「気にすることない」と言ってくれた。形や長さは違ってもみんな指、どの指も大切で、同じ大きさじゃないことを気にしなくてもいいさと▼中国古典には「十指有長短」(十指、長短あり)とある。指の長さが違えば活用の道も違い、物にはそれぞれ独自の特質があると説かれる。古代から中国と関係を結んできた沖縄のこと、トゥーヌイービヤの源流もその辺りにあるのかもしれない▼同様に、指のような多様性が一つにまとまってつかんだ躍進だったのは間違いない。選手31人のうち15人が海外出身という、ラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が今年の流行語大賞に選ばれた▼スローガンの流行はチーム躍進の故だろうが、そこには日本社会の変容も反映していた気がする。国内に在留する外国人は30年前の3倍の約280万人。島国と言えども外国人の手助けなしには社会が成り立たなくなったことを肌で感じるようになった▼ワンチームという言葉には、違う指だからこそ「共にやっていける」という希望がある。一丸で目標を達成した選手たちは、共生社会のお手本になったというところだろうか。