12月3日付

12月3日 08:01

 「月よりの使者」は、生理を表す隠語の一つである。女性の体調が月の満ち欠けのように変わりやすいため、月にまつわるものが少なくない。隠語が発達した背景には「生理は恥ずかしいもの」という価値観があるためだが、最近はオープンにする動きも目立ってきた▼「手塚治虫文化賞 短編賞」を受賞した「生理ちゃん」は、生理を擬人化した漫画で、映画化もされ、今年の話題作の一つとなった。その「生理ちゃん」とコラボした大阪の老舗百貨店の取り組みが議論を呼んでいる▼女性社員が自らの生理をバッジで意思表示する「生理バッジ」である。個人差が大きいとされる生理による不快な症状を、バッジの着用で社員同士が互いに気遣いできるようにすることが目的という▼このバッジは大きな反響を呼びネット上で否定的な意見も多かったことから百貨店側は着用を取りやめた。意見はさまざまあろうが、生理の話はタブーという意識を少しは変えることになったのではないか▼女性の働きやすい環境づくりとして今月から始まったこの取り組みも、一部で議論を巻き起こしている。運転免許証の旧姓併記である。希望すれば表面の氏名欄にかっこ書きで旧姓のフルネームが併記される。旧姓を使える場が増えることは歓迎という意見もある一方で、こんな声も根強い▼「だったら夫婦別姓を認めてほしい」。法に基づく、根本的解決を求める声であろう。ネット炎上が話題になる昨今だが、多様性を認める議論は、もっと盛り上がっていい。