12月2日付

12月2日 05:46

 県ハンドボール界の礎を築いた故藤田八郎さんは、競技の魅力を「スピーディーなところが一番。走る、跳ぶ、投げるという運動の基本的な要素を兼ね備えている」と語っていた▼女子ハンドボール世界選手権が開幕、県内5会場で熱戦が繰り広げられている。サッカーに近いようでバスケットボールの要素もある競技の魅力を知る絶好の機会だ▼見どころはやはりゴール前の攻防。ゴールから6メートルのゾーンにはキーパー以外は敵味方とも入れず、シュートはその外側からまたは内側に向かってジャンプしている状態で打たなければならない。スピードに乗ってシュートしようとする選手と、防ごうとする相手との格闘技に近い接触プレーも見られ迫力を感じる▼熊本では1997年に男子の世界選手権が開催されており、世界のハンドボール界で熊本の名は有名になっていることだろう。これには先人たちの努力があった。藤田さんの自伝『走れジープ』によると、県協会の理事長だった藤田さんは、国際試合を通して熊本の人たちにハンドボールの面白さを知ってほしいと考えた▼64年にフランスのクラブチームが来日した際、試合会場が大都市だけだったため「都会でばかり開催していては普及にはならない」と日本協会に訴え、熊本開催を実現。県内ではその後も何度か国際試合が開かれた▼藤田さんが95歳で亡くなってあすで1年。幸先よく白星スタートを切ったわれらが日本代表「おりひめジャパン」の活躍を泉下の藤田さんとともに祈りたい。