10月21日付

10月21日 08:01

 「約束の日」といえば、10月の第3日曜日。熊本県民であれば、すぐにピンと来る方も多いのでは。南阿蘇村の野外音楽劇場アスペクタで催されるカントリーゴールドの日である▼在熊のミュージシャン・チャーリー永谷さんが1989年に始めたカントリー音楽の祭典。雄大な景観の中で軽やかな音楽に身を委ねる特別な一日-。イベントの魅力もさることながら、「約束の日」という誘い言葉の何と爽やかなことか▼♪クマモト トゥー ケンタッキー、トウキョウ トゥー テネシー…。公演に行ったことはないが、テレビCMなどで毎年聞いたチャーリーさんの曲は口ずさめるという方もおられよう▼そのカントリーゴールドがきのう、ついに幕を下ろした。スポンサーの撤退・縮小、アスペクタの閉鎖危機、そして熊本地震。幾多の苦難を乗り越えてきた祭典だけに残念だが、地方から文化を発信するため「やれるだけのことはやった」という演者やスタッフらの言葉は重く、すがすがしい▼「日本中のファンがあっと驚く音楽祭に」「リピーターが何度も来るフェスティバルに」。チャーリーさんは、カントリーゴールドを始めた時の決意を本紙の連載でそう語っていた。その両方を成し遂げた行動力には驚くほかない▼熱い心意気はジャンルを超えて、熊本を愛する若い表現者らに受け継がれると信じたい。熊本には週末ごとに「約束の日」があり、大勢の仲間と集えるイベントが必ずどこかで催されている…。そんなふるさとになるといい。