10月20日付

10月20日 08:01

 きょうは日曜。「いつの時代の話なのか」と突っ込みながら、夕方6時半から必ず見ているのがアニメ『サザエさん』だ。スタートしたのは1969年10月なので50年になる▼スマホやパソコンは登場せず、磯野家にはエアコンもないようだ。見ているこちらは小学生から還暦を迎えるまでになったのに、登場人物は年を取らない。時代が進んでいかないのはある意味当然か▼翌日から始まる会社や学校のことを考えて憂鬱[ゆううつ]になる「サザエさん症候群」や、妻の実家で親と同居する「マスオさん現象」などの言葉を生んだが、番組が描くのは普通の家庭の日常生活だ▼3世代7人がちゃぶ台を囲んで食事をし、サザエさんと母親のフネさんは専業主婦。これでは普通といっても、核家族化や女性の社会進出が進む現代からすると昭和時代のことだろうが▼どこにでもありそうな出来事を季節感を織り込みながら描いていくストーリーは、たわいないといえばたわいない。しかし、目まぐるしく変化している時代だからこそ、今の家族像と異なっていても見る人に安心感を与えているのだろう▼最近ではマスオさんがそうだが、50年もたつと声優はほとんどが交代している。「バカモ~ン!」と叱る波平さんは、初代の永井一郎さんが2014年に亡くなった。永井さんは「『サザエさん』は平和を前提としている。それがなくなった時が怖い」と話していたという。のんびり『サザエさん』を見て過ごす、そんな日常を送れているありがたさをかみしめたい。