9月10日付

9月10日 08:01

 「二百十日」(1日)から「二百二十日」の今の時季は、暴風雨が襲来する厄日として恐れられてきた。そんな暦が語るように昨日台風15号が首都圏を直撃した▼関東に上陸した台風としては観測史上最強クラスで、死傷者が出て、建物の被害が続出。週明けの通勤、通学の足が乱れ、市民生活や企業活動に混乱をもたらした▼記録上、最も悲惨な台風災害は1828(文政11)年旧暦8月9~10日に今の佐賀県で起きたらしい。ちょうど長崎にいたシーボルトが気圧計でこの化け物台風を観測したことから、「シーボルト台風」と呼ばれていると歴史学者の磯田道史さんが書いている(『天災から日本史を読みなおす』中公新書)▼佐賀平野は、内湾の有明海に面して土地が低い。シーボルト台風は海水を吸い寄せ、あっという間に高潮になって、陸地を襲い、死者は1万285人にも達したという▼2週間ほど前、その佐賀平野を1時間に100ミリを超える記録的な豪雨が襲った。有明海の満潮とも重なって4千棟を超える家屋が被害に見舞われ、3人が亡くなった。被災地ではなお避難生活を送る人たちがいて、浸水家屋の後片付けや災害ゴミの処理、鉄工所から流れ出た油の除去などに追われている▼熊本地震の恩返しをと、この週末県内からボランティアに駆け付けた人も多かろう。ただ復興には息の長い支援が必要と心しておきたいものだ。追い打ちをかけるように厳しい残暑が続く。熱中症予防には細心の注意を払いたい。もちろん台風にも。