7月19日付

7月19日 08:56

 位置や形がわずかに異なるものを一こまずつ撮影し、連続して映写することで動いているように見せる-。アニメーションの起源は欧米では100年以上もさかのぼるらしい▼語源はラテン語の「アニマ」で、霊魂や魂を意味する。なるほど、止まっていたものが動くことで、絵に命と生気を吹き込んだように見える。そして今、世界で最も高い評価を得ているのは日本のアニメ。若者たちの心に夢や希望を吹き込んできた▼そのアニメ制作会社で目を覆う惨劇である。京都市にある「京都アニメーション」のスタジオに男が侵入、油のようなものをまいて火を放った。当時70人ほどが仕事中で多くが逃げ遅れ、30人超が死亡・心肺停止となっている▼制作会社は「京アニ」の愛称で親しまれ、「涼宮ハルヒの憂鬱[ゆううつ]」など若者の心をつかむ多くの人気作品を生み出してきた。それにしても、なぜ…。放火の疑いで京都府警が調べている41歳の男は、「死ね」と叫んでいたという目撃情報もある。何かトラブルを抱えていたのか▼総務省消防庁は職員を派遣し、死傷者が多く出た経緯を調べるという。事件が起きた建物は3階建てで、可燃物が多かった可能性もある。非常口や避難経路、消火設備などは十分だったのか、詳しい検証が必要だ▼事件は海外メディアも速報した。ネット上で資金を集めるクラウドファンディングのサイトでは、ファンらが「京アニ」を支援する募金活動を始めた。若者たちの行動に胸が熱くなる。その思いを被害者にも届けたい。