7月17日付

7月17日 08:58

 夏のボーナス後といえば、ひと昔前は金融機関がこぞって金利上乗せキャンペーンを展開し、預貯金獲得合戦を繰り広げていたような。超低金利が続く今はすっかり下火となっている▼その代わりに勧められるのが投資信託や保険である。各店舗は、低金利で貸し出し利ざやが望めない分を、窓口販売による手数料収入でカバーしようと懸命だ▼「老後資金2千万円」問題も、その流れを加速させている。政府は金融庁の報告書を“なかったこと”にしたつもりだろうが、実際には多くの人が老後への不安を募らせている。顧客を投信や保険へ誘うには願ってもない追い風となっているようだ▼そんな折も折、かんぽ生命保険による不正販売の数々が表面化した。新旧の契約を併存させて保険料を二重取りしたり、旧契約の解約後に無保険状態にしたり。郵便局という身近な場所でそんな商売がまかり通っていたとは▼ゆうちょ銀行でも、高齢者に投信を勧める際に健康確認を怠る事例が問題化。銀行窓口などで販売される外貨建て保険でも、元本割れのリスクを十分説明しないなどの問題が多発している。ただでさえ仕組みが複雑な商品が客の不安や無知に付け込む形で販売されているとなると、何をどう信じればいいか分からなくなる▼責任の一端は、超低金利政策がこれだけ長く続いても、景気回復の恩恵を家計や地方まで浸透させられなかった政権にもあろう。参院選も終盤。政党の誹謗[ひぼう]中傷はおいて、老後の不安を解消する戦略が聞きたいものだ。