6月12日付

6月12日 09:20

 2月の国際面、トランプ君(11)の小さな記事を思い出す。米大統領と同じ名字だとしていじめられて、メラニア夫人がいじめ撲滅に取り組む縁で大統領の演説に招待されたが、口を開けて爆睡してしまい笑いを誘った▼同じ居眠りでもこちらは大目玉である。地上配備型迎撃ミサイルシステムの候補地、秋田市であった住民説明会で防衛省職員がこっくりこっくり。住民から「われわれは人生が懸かっているんだぞ」と怒号が飛んだ▼昼間の短時間の睡眠が仕事の能率を上げることは知られているが、会議に「居」ながらの「眠り」となれば話は別。「参加するけど関心は無い」ことの証左だろう。何という緊張感のなさ▼加えて候補地を「適地」とした調査でも誤りが明らかになっている。ネットサービス「グーグルアース」を基に定規と分度器などを使い山の高さを調べたが、高度と距離の縮尺が違っていることを見落とした。古来、地形の正確な把握は攻防の要ではなかったか▼居眠りに戻れば、電車の中など公共の場でのそれは日本ではありふれた光景だが、外国人の目には奇異に映るらしい。うっかり眠っても何も取られない、されないこの国の安全を改めて思う、と書いて、防衛省の体たらくに合点がいった▼米朝首脳会談に続き、安倍晋三首相も直接対話の道を探る。以前ほどのミサイルの脅威は当面、心配なさそう。でもトランプさんに「買う」と約束してしまった大きな買い物。今更やめるとは言えず…そんなぼやきが聞こえてきそうだ。