保津川下りの舟転覆、船頭死亡　別の船頭が行方不明、乗客は無事

　２８日午前１１時ごろ、京都府亀岡市の桂川（通称保津川）で、観光客向け川下りの舟１隻が座礁し、転覆した。京都府警などによると、乗客２５人と船頭４人の計２９人が川に落ち、うち船頭の田中三郎さん（５１）が死亡。別の男性船頭（４０）も行方不明になった。乗客２５人と、残る船頭２人は無事だった。

　京都市消防局によると乗客のうち女性９人が病院に運ばれた。低体温症や打撲などで症状は軽いとみられる。

　運航する保津川遊船企業組合によると、舟は午前１０時４０分ごろに出航し、約１５分後に事故が起きた。左後方の船頭がかじで水をかこうとしたところ失敗し、バランスを崩して転落。残り３人でコントロールしようとしたが、岩にぶつかって転覆した。転落者は後続の舟や消防が救助した。組合は、２９人全員が救命胴衣を着用していたとしている。

　運航の安全性を判断する地点の水位は運航中止基準より低く問題なかったとしている。４人の船頭は９～３０年の経験があり、人数も規定通りだった。出航前のアルコール検査や体調確認で異常はなかった。