入院拒否に罰則、撤回求める声明 ハンセン病市民学会が発表

熊本日日新聞 | 2021年2月3日 09:44

 市民団体「ハンセン病市民学会」は2日までに、新型コロナウイルス対策を強化する感染症法改正案の撤回を求める声明を発表した。罰則による入院強制は「憲法違反と言わざるを得ない」と訴えている。

 声明は罰則導入の根拠について「漠然とした不安感でしかない」と説明。官民一体でハンセン病患者の強制隔離政策を推進した「無らい県運動」のような人権侵害につながりかねないと強調した。

 法改正を巡る一連の動きは、強制隔離で「人生被害」を被ったハンセン病元患者や家族にショックを与えたとも指摘。「犠牲の上に導き出された教訓を国は生かすどころか、足蹴[あしげ]にするのか」と罰則の撤回を求めた。(澤本麻里子)