【料理帖】エビの五目ちらし

熊本日日新聞 | 2023年3月18日 00:00

 先日のこと。行きつけのスーパーの鮮魚売り場をのぞいていたら、目の前に大きなワゴンに載った大量のバナメイエビが運ばれてきました。「ただ今より、袋詰めサービスを行いま~す」と店内アナウンスが流れ、B5判ほどのサイズのビニールの袋と手袋が用意されました。

 同じ売り場で同種類のエビが8匹580円でパック売りされており、詰め放題の料金は何と1袋880円。どう考えてもお得感満載です。しかも、絶好の立ち位置にいるとあれば、参戦しない手はありません。

 詰め放題では、少しでも多くをゲットするため、まずビニール袋をしっかりもんで破れない程度に伸ばしておくことがポイント。そして、袋の隅から隙間なく埋め、そこからは「積んでは手で押し込む」を繰り返します。袋いっぱいになったら、今度は袋口の縁にエビのしっぽ部分を突っ込んでぐるりと囲いを作れば、まだまだいけます。袋口から4㎝ほど飛び出る高さまで詰めに詰めて、70匹ほどをゲット。通常価格に換算すると、約5千円分とあいなりました。

 この戦利品で作ったのがエビの五目ちらし。この春高校を卒業し、進学や就職が決まった近所の子どもたちのお祝いにとこしらえました。「おばちゃん、バリうめえ」と頬ばる笑顔に、頑張って詰めたかいがあったと癒やされました。

 もう、すっかり春ですね。これからも日々の台所で生まれる、ささやかな幸せを見つけていきたいと思います。

〈材料〉バナメイエビ、レンコン、シイタケ、ゴボウ、ニンジン、絹サヤ、卵、酢飯、ごま、赤大根の酢漬け、A(だし汁、薄口しょうゆ、みりん、砂糖) 

〈作り方〉エビは背わたを取り、熱湯に塩と日本酒を加えてゆでる。レンコンは薄いいちょう切り、シイタケとニンジンは細切りにする。ゴボウはささがきにして水に漬けておく。絹サヤはゆでて千切りにする。レンコン、シイタケ、ニンジン、ゴボウを鍋にいれAを加えて煮汁がなくなるまで煮つめる。酢飯にエビと絹サヤ以外の具材を混ぜてごまを振り、器に盛る。錦糸卵を散らして、その上に絹サヤの千切りとゆでたエビを飾る。赤大根の酢漬けを散らして完成。

2022.3.18(土)掲載 料理・文/福永和子

※記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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