ウクライナ出生数24%減 国外避難民800万人影響

共同通信 | 2023年2月4日 16:43

 22年3月、ロシア軍の攻撃を受けた産科病院の外に立つ妊婦。逃げ延びて別の病院で女児を出産した=ウクライナ・マリウポリ(AP=共同)
 22年3月、ロシア軍の攻撃を受けた産科病院の外に立つ妊婦。逃げ延びて別の病院で女児を出産した=ウクライナ・マリウポリ(AP=共同)

 【キーウ共同】ロシアに侵攻されたウクライナで、2022年1~11月に登録された新生児数が前年同期比で24%減少したことが4日、同国のデータ分析会社の報告で分かった。侵攻後の国外避難民は約800万人に上り、多くの女性が海外での出産を選んだとみられる。戦時下で子を授かることをためらう人も多く、侵攻前から続いていた人口減少が加速する恐れがある。

 出生数低下による人口動態の急激な変化が、戦闘終結後の復興や経済回復の大きな障害になりかねない。

 同社によると、21年1~11月の新生児数は約25万6千人、22年1~11月は約19万5千人だった。

 ウクライナの人口は4346万人(21年推定)。世界銀行によると、ソ連崩壊後の1993年に5217万人とピークに達した後、減少を続けている。低出生率と、豊かさを求めて海外に移住する人が増えたことが要因だ。

 英国のセントアンドルーズ大の研究者らがまとめた試算によると、侵攻がこの流れを加速させ、今後20年間で人口が最大33%減少する可能性がある。

ランキング

イベント情報