コロナ検査292人、費用を専決処分 熊本県阿蘇市

熊本日日新聞 | 2020年11月28日 10:33

 熊本県阿蘇市は27日、新型コロナウイルスに感染した医療従事者の子どもが通う同市の小学校の児童と教職員ら292人に、市独自にPCR検査とLAMP検査をした費用を専決処分したと明らかにした。同日の全員協議会で報告した。

 市新型コロナウイルス感染症対策本部によると、感染した医療従事者はクラスター(感染者集団)が発生した同市の阿蘇やまなみ病院に勤務する父親。感染判明後の11月2日、濃厚接触者の子どもは検査で陰性だったが、母親は陽性だった。

 10月31日に母親や子どもが通う小学校の児童らが参加した食事会があり、その後に児童らが登校したことで市は感染拡大の懸念があると判断。濃厚接触者に認定されなかった児童や教職員らの希望者を検査することにした。

 検査の結果、全員の陰性が判明。費用は827万9700円で、予備費を充てた。

 同対策本部は「院内感染にとどまらず、市中感染の恐れがあった。児童や保護者の不安払拭[ふっしょく]も必要と考えた」と説明。今後も同様の事案が起きた場合、検査を検討するという。(東誉晃)