熊本都市圏と阿蘇間の交通量、地震前下回る 休日は8%減

熊本日日新聞 | 2020年11月29日 09:00

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開通した国道57号北側復旧道路の大津東IC付近。11月の調査で、阿蘇-熊本都市圏の全体交通量は熊本地震前を下回った=10月3日、大津町(高見伸)

 熊本地震によって南阿蘇村で寸断された国道57号が10月に二つのルートとして復旧したことを受け、国土交通省は、開通から1カ月たった11月の一帯の交通状況をまとめた。車の量は復旧前の9月に比べ平日で19・6%、休日で36・3%それぞれ増加。地震前の2015年10月との比較では平日が4・3%、休日は8・5%それぞれ下回った。

 同省熊本河川国道事務所は「新型コロナウイルスの影響がある中、一定程度は回復しているのではないか。長期的に見ていきたい」としている。

 交通量は、熊本都市圏と阿蘇地域を結ぶ国道57号、県道北外輪山大津線(通称ミルクロード)、県道熊本高森線俵山ルートの総計を比較。復旧後は、新設の57号北側復旧道路(大津町-阿蘇市)も加えた。

 平日は11月4日に調査し、3万7800台が通過した。9月9日を6200台上回った一方、15年10月を1700台下回った。休日は11月1日に調べ、4万6200台。9月27日より1万2300台多かったが、15年10月比では4300台少なかった。

 一方、道の駅阿蘇(阿蘇市)の10月の来客数は5万4千人で、9月から74・2%増。15年10月と比較しても25・6%伸びており、アクセスルートの復旧が貢献したとみられる。

 また、国道57号のミルクロード入り口(大津町)から阿蘇大橋(南阿蘇村)の平均時速(11月1日午後5時台)は44・4キロだった。15年10月の15・5キロから約30キロ向上し、同事務所は「北側復旧ルートと分散したことで渋滞解消につながっている」とみている。(内田裕之)