3D八千代座 「新鮮な感覚」 熊本県土地家屋調査士会、山鹿市にデータ寄贈

熊本日日新聞 | 2020年11月30日 09:33

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県土地家屋調査士会の測量データから制作した八千代座の3D映像(同会提供)

 熊本県土地家屋調査士会が26日、山鹿市にある国指定重要文化財「八千代座」の3次元(3D)測量データを市と県に寄贈した。建物が被災した際の復元や、VR(仮想現実)を使った観光PRなどに役立ててもらう。

 調査士制度制定70周年を記念し、同会が8月に八千代座を測量。3Dレーザースキャナーなどを使い、屋外と屋内の位置情報を4ミリ間隔で記録。58億点のデータを集めた。
 八千代座で寄贈式があり、外観や客席などの精密な3D映像を紹介。任意の点間の長さが即座に分かるなど使い方の説明もあり、同座や市の職員から驚きの声が上がった。

 VRゴーグルで3D映像を見た中嶋憲正市長は「普段の八千代座とは違って見え、新鮮な感覚。インターネットで海外の人に疑似体験してもらうなど幅広く活用したい」と喜んだ。

 同会の吉田末春会長(61)は「3D測量の技術は発展途上で、利用の可能性は無限大。我々も日々勉強し、業務に取り入れていきたい」と話した。(河内正一郎)