白川治水、住民参加を 市民団体「ダムなし」要請

熊本日日新聞 | 2020年11月28日 10:30

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国に流域治水に関する要請書を提出する市民団体の中島康代表(左)=27日、熊本市東区

 白川上流で建設中の立野ダムに反対する市民団体が27日、国などでつくる白川の流域治水協議会に流域住民を加えることや、ダムによらない治水を求める要請書を提出した。

 「立野ダムによらない自然と生活を守る会」など4団体。要請書では、流域の水田に20センチ雨をため込めるようにあぜを高くした「田んぼダム」を広げれば「立野ダムを上回る貯水容量が得られる」と主張。2022年度完成予定の同ダム工事を中止し、遊水地や集落を堤防で囲む輪中堤の整備など、8年前に国土交通省が同ダムとの比較で検討した各種対策も協議会の議論に加えるべきだとした。

 国交省立野ダム工事事務所(熊本市東区)を訪れた同会の中島康代表(80)=熊本市西区=ら8人は「なぜ国がダムにこだわるのか一般住民も疑問を感じている」「協議会規約には『あらゆる関係者が協働して』とあり、住民やダムによらない治水の専門家も協議に加えるべきだ」と訴えた。県にも要請書を出した。(太路秀紀)