新たな飼い主へ命つなぐ 熊本県内団体、奮闘中 医療費100万円、飲食代と寄付で賄う猫カフェも 26日まで「動物愛護週間」 

熊本日日新聞 | 2022年9月23日 07:00

「かごにゃん」には、常時約20匹の猫がいる=熊本市中央区

 20~26日は動物愛護週間。動物愛護管理法に基づき、動物の愛護や適正飼養への関心と理解を深める週間だ。ただペットを飼う人が増える一方で、動物保護団体への保護依頼は後を絶たない。小さな命を守る活動に日々奮闘している人たちに、思いを聞いた。

 熊本市中央区新市街の猫カフェ「キャットシェルター かごにゃん」は、迷い猫や多頭飼育崩壊で行き場がない猫を保護している。保護した猫は、カフェを訪れる客と触れ合い、新たな飼い主を待つ。

 常時約20匹を保護。春と夏の発情期は特に依頼が多いという。「外で子猫が1匹でいる」など、緊急性の高いものを優先するが、現在も順番待ちだ。オーナーの西嶋智史さん(38)は10年以上前、交通事故に遭った野良猫を多く見かけ「どうにかしたい」という思いで始めた。

 飼い主との相性を見極めるマッチング後、譲渡する際は、責任感を持ってもらうため書面で「家はペット可物件ですか?」「去勢・避妊は必ずされますか」など9項目を確認。これまで約千匹を、新たな家族との縁をつないだ。

 避妊手術など年間の医療費が100万円程度かかるほか、家賃や餌代などをカフェの飲食代と寄付で賄う。運営は厳しいが、西嶋さんの夢は、野良猫に不妊手術をして元の場所に戻す専門病院をつくることだ。

 熊本県に登録している動物保護団体は少なくとも13ある。県はワクチン接種や医療費、交通費など、総額で年間300万円を補助。各団体は、動物愛護センターや各地の保健所から犬や猫を引き取り、個人に譲渡している。

「ドッグレスキュー熊本」に保護されている犬=菊陽町

 そのうちの一つが菊陽町の「ドッグレスキュー熊本」。子犬を中心に保健所から引き取り、これまで約1300匹を新しい飼い主へつなげてきた。

 代表の生松義浩さん(61)は20年ほど前からドッグランを運営していた。県動物愛護センターで殺処分予定の子犬3匹を引き取り、生後1~2カ月の犬の殺処分率は2割と知ったことから2011年、保護活動を始めた。

 ドッグランだった場所に空調完備のプレハブ小屋を設置。屋内のカフェスペースにもケージを並べた。相談の多い猫の保護も今年5月から始め、21日現在、県の委託も含め犬65匹、猫15匹を保護する。

 目指すのは、人間と動物がよりよい関係で、共存できる環境をつくること。生松さんによると、学校では動物の飼育小屋が撤去されるところもあり、生き物とふれあう機会が減っているという。

 生松さんは「親や教師から学べないことも多い。動物を通し、命の大切さを学ぶ場や、ペットを飼えない地域の人たちが日常的にふれあえる場をつくりたい」と話す。「愛護」とは何か、子どもたちと考えていくつもりだ。(豊田宏美、志賀茉里耶)

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