被爆証言「あの時、ここにいた」 米NY、デジタル地図前に

共同通信 | 2022年8月7日 16:17

 「ナガサキ・アーカイブ」の前で被爆体験を語る日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長=6日、米ニューヨーク(共同)
 「ナガサキ・アーカイブ」の前で被爆体験を語る日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長=6日、米ニューヨーク(共同)

 【ニューヨーク共同】東京大の渡邉英徳教授が6日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開催されている米ニューヨークで「テクノロジーでつながる平和活動」展を開いた。被爆者の一人は長崎のデジタル地図の前で「あの時ここにいたんだな、と思うと身震いがした」と体験を語った。

 幅約3・5メートルの大型ディスプレーに、被爆地の地図が映し出された。多くの顔写真がそれぞれの被爆地点に浮かび、体験談も表示される。渡邉教授が取り組んできた「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」だ。

 再検討会議のため渡米した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の3人が、会場の東大ニューヨークオフィスで来場者に被爆体験を証言した。木戸季市事務局長(82)=岐阜市=は「地図があった方がいい」と、アーカイブの前へ移動。詳細な地図に記憶を揺さぶられたのか「ここに遺体が転がっていた」と指さしながら具体的に説明した。「見た瞬間に僕はここにいたんだと感じた。いろんな思いが合わさり言葉で言い表せないが、とても興奮した」と話した。

 渡邉教授は戦争や災害に関する膨大な情報をデジタル技術で結び、インターネットに公開する取り組みを長年続けており、戦時中のモノクロ写真のカラー化でも知られる。「記憶を継承するのはあくまで人で、技術はそれを助けるもの。木戸さんがそのことを体現してくれて感無量です」と述べた。

 会場にはロシアの侵攻で被害を受けたウクライナの街並みや建物を、画像や立体データで記録した「ウクライナ衛星画像マップ」も展示。日米の約10団体の活動や作品をパネルやディスプレーで紹介した。

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