新型コロナ感染、早期発見に期待 医療用検査キット、県内でも販売解禁 「偽陰性」に注意を

熊本日日新聞 | 2021年10月27日 08:00

検体抽出液などがセットになっている抗原検査キット

 新型コロナウイルスへの感染を手軽に調べられる抗原検査キット。厚生労働省は9月末、「医療用」キットの薬局での販売を解禁し、熊本県内の薬局でも買うことができるようになった。早期発見や陰性証明への活用が期待されているが、正しく使わないと「偽陰性」が出る場合もあり、使用には注意が必要だ。

 抗原検査はウイルス特有のタンパク質(抗原)にくっつく物質を使い、検体中のウイルスの有無を調べる。付属の綿棒で鼻腔[びくう]の粘膜を採取し、検体抽出液にひたす。専用の機器を使うPCR検査よりも精度は劣るが15~30分ほどで検出でき、目の前で結果が分かる。比較的安価でもある。

 抗原検査は医療現場で迅速な判断が必要となる場合などに使用されていたが、9月に「体外診断用医薬品」として一般での販売が特例的に承認された。現在、市販を認められているのは15種類。一方で、ドラッグストアなどには「研究用」として未承認の製品も出回っており、市場では両者が混在している。

抗原検査キットの使い方を説明するシモカワ薬局さくらまち店の穝所祐介さん。購入の際には個別に対応するという=22日、熊本市中央区

 熊本市中央区のシモカワ薬局さくらまち店では10月中旬から、医療用検査キットの取り扱いを始めた。一つ1650円。販売時は薬剤師が個別に対応して正しい使い方を説明し、結果が陽性の場合は医療機関を受診するよう促す。「抗原検査は早く結果が分かる利点があり、ニーズは高い。国の承認を得たものは安心して使ってもらえる」と薬剤師の穝所[さいしょ]祐介さん(37)。

 コロナ検査キットを求める声は多く、感染「第5波」の時期には、帰省や就職活動で県外に行く人たちや、事業所などから問い合わせが相次いだ。当時は店頭に「研究用」のキットを並べていたが、8月以降で抗原検査キットは30個超、PCR検査キットは300個以上が売れたという。

 同店で現在扱っている抗原検査キットは医療用のみ。今後、行動制限緩和や第6波への警戒感から「需要が高まるのではないか」と見ている。

 一方で、使い方を誤ったり、無症状で体内のウイルス量が少なかったりすると、陽性にもかかわらず正しい結果が出ない「偽陰性」となる可能性もあるという。厚労省は陰性の確定診断には推奨しておらず、穝所さんは「旅行前後など、感染が心配な時に使ってほしい。発熱時や体調が悪くなった際の受診の目安になる」と話している。(志賀茉里耶)

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