熊本転入ママ、農作業で自然満喫 サークル「くまてん」農地契約 子どもの食育にも

熊本日日新聞 | 2021年10月17日 15:37

「くまてんファーム」で種まきを体験する親子=玉東町

 熊本県外から転入してきた母親らのサークル「熊本転入ママの会 くまてん」は、農地を年間契約し、農業体験会を開いたり、収穫した農作物を子ども食堂で活用したりしている。「一時の体験で終わらせず、農作物の成長を見届け、食育にもつなげたい」との思いで、畑を守り続けている。

 昨年4月、メンバーの知人を通じて玉東町の畑約90平方メートルを借り、「くまてんファーム」と名付けた。畑は1年契約で、今春も更新。サークルの活動は新型コロナウイルス禍で中止やオンラインへの切り替えなどを強いられたが、農業体験は野外ということもあり、少人数ながら開き続けられた希少な機会だ。

 「熊本の人でも日常的に土に触れる機会はなかなかない。都会育ちが多い“転入ママ”はなおさら」と、静岡県出身でファーム代表の佐藤衣の梨[いり]さん(35)。自身も農業初心者という佐藤さんらが週に1回ほど、畑の手入れで玉東町に通っている。

「熊本転入ママの会 くまてん」のメンバーら=熊本市南区

 季節ごとにトウモロコシやゴーヤー、エダマメなど約10種類を植え、月に1回程度、「種まき」「苗植え」「収穫」といった節目で体験会を開催。延べ約50組が参加し、スイカ割りや虫捕りなども楽しみながら自然に触れた。

 農作物は各自持ち帰るほか、4月からサークルで始めた子ども食堂の食材にも使う。活動をブログで発信する山下亜耶さん(32)は「家庭菜園とは違い、畑の管理は思った以上に大変。でも、子どもと『この前はなかったのに、今日は実がなっているね』などと会話が生まれ、やりがいがある」と語る。

 9日の体験会では4組の親子がサトイモやネギなどに水やりをし、新たにホウレンソウやコマツナなどの種まきに汗を流した。子どもたちは畑を走り回り、服は泥まみれに。1歳の息子と訪れた女性は「土に触れる経験はあまりできない。自然を感じることができてよかった」と満足げだ。

 夏から秋にかけて収穫予定だった農作物は台風などで多くがだめになってしまった。ただ、「農業の大変さ、難しさも学ばせてもらっている」と前向きな佐藤さん。「子どもに『自分で育てた野菜だよ』と言うとよく食べてくれる。コロナが収束し、多くの人が参加できる日が待ち遠しい」。

 農業体験は無料。今後の開催日程などの詳細は、くまてんホームページから登録できる公式LINE(ライン)で随時発信している。(河北希)

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