阿蘇中岳が小規模な噴火 1年4カ月ぶり

熊本日日新聞 | 2021年10月14日 20:36

阿蘇中岳の火口見学エリアに飛散した噴石(手前)と、破損した転落防護柵(阿蘇火山防災会議協議会提供)

 福岡管区気象台は14日、阿蘇中岳第1火口で午前4時43分ごろ、最大で直径60センチの噴石が火口縁付近に飛散する小規模な噴火が発生したと発表した。噴火は2020年6月15日以来。気象台は13日、噴火警戒レベルを1(活火山に留意)から2(火口周辺規制)に引き上げていた。

 気象台によると、13日午後3時半ごろから火山性微動の振幅が大きくなり、噴火後は小さくなった。噴煙は約600メートルまで上昇。火山ガス(二酸化硫黄)の1日当たりの放出量は1900トンで、やや多い状態だった。高森町や大分県竹田市、宮崎県高千穂町の一部で降灰を確認した。

 阿蘇火山防災会議協議会は、転落防止のため火口見学エリアに設置された柵の一部に噴石が当たり、壊れているのを確認。気象台は、火口からおおむね1キロ以内で噴石や火砕流に警戒するよう呼び掛けている。

 京都大火山研究センターの大倉敬宏教授は「火山ガスの供給量が一時的に高まり、圧力を開放する過程で小規模な水蒸気噴火が起きたと考えられる」と指摘。水蒸気噴火は今後も起きやすい状態にあり、火山ガスの量や火口直下で起こる火山性地震の発生状況、地下のマグマの動きに注意が必要という。(東誉晃)

◇観光客らから驚きや落胆

 13日に噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き上げられ、14日未明には昨年6月以来の噴火を観測した阿蘇中岳第1火口。登山道や火口へ続く道路の入り口には、注意喚起や立ち入り禁止の看板が設置され、訪れた観光客らから驚きや落胆の声が漏れた。

 日本一周の旅行中に火口見学に来たという福島県郡山市の元会社員、小西重利さん(73)は「ここに来て火口まで行けないと知った」と驚いた様子。「人生で一度きりのチャンスだと思って来たのに残念」と肩を落とした。

 土産物などを販売する阿蘇山上茶店の江藤静江主任(65)=阿蘇市=は「行楽シーズンに入り、新型コロナの規制も緩和され、雨が続いた夏に比べて3~4割お客さんが増えていたのに…。一日でも早く規制が解除されてほしい」と話した。

 高森町では降灰が確認され、同町上色見の会社員、三村賢太朗さん(29)は「警戒レベルが引き上げられ、嫌な予感はしていた。まさか灰が降るとは…」と洗車に追われた。(東誉晃、上杉勇太)

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