(269)話し合いで理解へ キルギス「青少年活動」本田隆介(39)

熊本日日新聞 | 2020年9月25日 13:39

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ビシケクと神戸の小学校をつないだ交流授業の様子

 2018年7月から、キルギス共和国の首都ビシケクに赴任。市内の公立学校を管轄する教育行政機関で活動していました。

 キルギスでは「年長者を敬いましょう」「家族を大切にしましょう」といった具合に価値観を教え込む形式の道徳教育が一般的です。そこで、日本の手法や考え方を生かした授業を先生たちに提案しました。「なぜ家族を大切にしなければならないのか?」といった問いかけや話し合いを通して、生徒自身に理解を深めてもらうのです。

 興味を持ってくれた先生がいたので、その学校に出向き、私が行う授業を実際に見てもらったり、より具体的な指導法を提案したりしました。

 知人を通じて、神戸市の学校にキルギスからの転校生がいることを知ったので、その子が在籍していた学校との交流授業も企画しました。かつての同級生同士が画面越しに笑顔で手を振りあって言葉を交わす姿は、とても感動的でした。

 今年3月に新型コロナウイルス拡大の影響で急きょ帰国を余儀なくされました。しかし、熊本とキルギスを結んだオンライン授業で子どもたちの笑顔を見て、楽しい気持ちにさせられました。

 協力隊の活動を通して、国や地域にこだわらず、自分が関わる人々の助けになりたいという気持ちをより強く持つようになりました。世の中を大きく変えることはできなくても、私の活動がほんの少しでもプラスになれば、とてもうれしく思います。(熊本市出身)