まちづくり、治水と直結 住民と話し合い重ねたい 【人吉市長・松岡隼人氏】

熊本日日新聞 | 2020年10月8日 00:00

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 ◇まつおか・はやと 人吉市議2期目の2015年、人吉市長選に立候補。08年に川辺川ダム建設の「白紙撤回」を表明した現職の田中信孝氏らを敗って初当選した。2期目。熊本大卒。人吉市下青井町。43歳。

 7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市。20人が犠牲になり、全半壊した住宅は2200戸を超える。観光業や商店街、JR肥薩線の復旧など課題が山積する中、松岡隼人市長に今後の復興ビジョンや治水対策への取り組みなどを聞いた。(聞き手・吉田紳一、小多崇)

 -災害発生から3カ月が過ぎました。

 「次から次に解決すべき問題があふれ出した。私たちの許容能力を超える災害で、走り続けることができたのは国や県、ボランティアの方々など、さまざまな支援のおかげだ。だが20人が亡くなり、多くの人が大切な何かを失った。守れなかった政治の責任を重く受け止めている」

 「人命救助の後はごみや土砂の片付け。そして避難所運営。現在は住まいとなりわいの再建がメインだ。日常を取り戻すため、事業を再開するため取り組んでいる」

 -復旧復興はどう進めますか。

 「市の復興計画を本年度中につくり上げたい。少しずつ街中にも明かりが戻って来た。ホテルや旅館では再開に1、2年かかるところもあるが、再建の気持ちを持たれていることがありがたい。しっかり支えていかなければと思っている。(集落などの)集団移転については、住民の思いや意思の統一が一番大事。意思確認をしながら、住民と話し合いを重ねたい」

 -JR肥薩線と、くま川鉄道への支援は。

 「くま川鉄道については、人吉球磨10市町村の首長全員で復旧復興することを確認している。臨時取締役会で再生協議会の設立も決めた。今後の運営や経営についても議論しながら、復旧復興に努めたい」

 「JR肥薩線は地域になくてはならない、人吉にとって必要なものだ。できるだけ早い時期にJR九州に存続に向けた要望を伝えたい」

 -川辺川ダム建設計画の議論が再燃しています。

 「来年もまた被害に遭うのでは、と不安を感じている被災者も多いと思う。まちづくりと治水は切っても切り離せない。今回の水害について国、県が科学的に検証した。この検証結果を踏まえた上で適切な治水の方法が示されると思う」

 -今、市にとってどのような支援が必要ですか。

 「あまりにも被害の規模が大きすぎて、現在、農地の復旧に苦戦している。流れ込んだ泥を取り除き、再び農業ができるようにしなければならない。2、3年も農業ができない状態が続くことがないよう国にも支援を求めたい」

 -今後、市の防災にどのように取り組みますか。

 「市としては事前防災行動計画(タイムライン)の見直しや事前防災の取り組み、情報発信の仕方など、今回の災害を踏まえて検証を進めたい。災害発生前の避難所設営や避難に対して、国の支援もあれば、市民に対してもさまざまな働き掛けができると思う」

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