患者らを追悼 厚労省で式典 コロナで規模縮小

熊本日日新聞 | 2020年10月30日 09:55

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黙とうをささげる「ひまわりの会」の中修一会長(右手前から2人目)=29日、熊本市東区

 国の不当な隔離政策で差別を受けながら亡くなったハンセン病患者らを追悼し、名誉を回復する式典が29日、厚生労働省(東京)であった。熊本県内では県ハンセン病問題相談・支援センター「りんどう」(熊本市東区)に元患者らが集まり、式典の様子をオンラインで見守った。

 同省が毎年、「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(6月22日)の時期に開催しているが、今年はコロナ禍でずれ込み、規模を縮小して実施した。

 「りんどう」では、相談員と県職員のほか、療養所退所者でつくる「ひまわりの会」の中修一会長(78)が視聴。参列者に合わせて黙とうをささげた。

 ハンセン病を巡っては、国の隔離政策による差別被害を認めた熊本地裁判決を受け、元患者の家族に対する補償制度が昨年11月に始まったが、差別や偏見を恐れ、申請をためらう人も少なくない。

 中会長は「裁判で家族の苦労は認められている。遠慮せず堂々と申請してほしい」と話した。(澤本麻里子)