竹箸容器、海外広告賞を受賞 南関町のヤマチク、“オール熊本”で開発

熊本日日新聞 | 2021年08月03日 11:03

自社ブランド「おかえり」を開発した山崎彰悟専務。ものづくりやデザインなどさまざまなコンテストで賞を受けている=南関町
パッケージが「ニューヨークADC賞」を受賞した「おかえり」。八角形の筒状で、斜めにカットされた部分に竹箸が入っている(同社提供)

 熊本県南関町の竹箸メーカー、ヤマチクの箸「okaeri(おかえり)」のパッケージデザインが、世界で最も古く権威のある広告賞「ニューヨークADC賞」の佳作に当たる「メリット賞」を受賞した。発案から製作まで、パッケージ開発に携わったのは全て県内の事業者。“オール熊本”でつかみ取った快挙に、注目が集まっている。

 同賞は1921年にアメリカの広告美術団体「アート・ディレクターズ・クラブ(ADC)」が設立。100回目の今年は61カ国から9132点の応募があり、755点が入賞した。国内では、トヨタ自動車など大企業が大手広告会社と組んで受賞するケースはあるが、地方のデザイナーや企業の作品が受賞する例は珍しいという。

 パッケージは紙製で、竹をイメージした八角形の筒状。ふたを開くと、斜めにカットされた部分に頭の赤い竹箸が入っており、竹から生まれたかぐや姫をイメージさせる。

 「おかえり」は竹の付加価値に再注目することで里山の保全にもつなげようと、「お箸の原点回帰」をテーマに2018年、開発に着手。初の自社ブランドとして、19年4月の発売以降、ものづくりやデザインなどさまざまなコンテストで賞を受けた。山崎彰悟専務(32)は「雑貨や家具、食材などとして古くから竹を活用してきた日本の生活文化を再興したい、との思いが実った」と胸を張る。

 デザインを担当した熊本市のクリエイティブディレクター、佐藤かつあきさん(43)は、今回の快挙に「商品の理念や願いが評価されたと思う」。山崎さんの思いをデザインとして具体化する作業に最も時間をかけたといい、「地元が同じなら意識も共有しやすい。納得のいく出来栄えになった」。パッケージ製造は、同市の池田紙器[しき]工業が担った。

 ADC賞受賞もあって、「おかえり」は認知度が向上。全国から注文が相次ぎ、これまでに約4千膳を売り上げた。6月下旬には、ブランド新商品となる菜箸[さいばし]も発売。調理用、盛り付け用、取り分け用の3点セットで、にぎりやすい形状や調理しやすい細くて丈夫な箸先など細部まで作りにこだわったところ、生産した200膳は即完売した。

 「オール熊本で開発した商品が想像以上の反響を呼び、手応えを感じている」と山崎専務。今後も南関町から国内外に向けて情報発信を続ける考えで、「田舎でもやれるんだと評価されたことを、これからに生かしたい」と意気込む。(田中慎太朗)

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