東京五輪、コロナの影に思い複雑 感染拡大、PV中止や無観客…熊本県民に懸念と落胆

熊本日日新聞 | 2021年07月23日 06:28

 23日に開会式を迎える東京五輪。新型コロナウイルスの感染拡大が影を落とす中、懸念や落胆、期待など、熊本県民はさまざまな思いで五輪を見つめている。

 熊本市中央区の医療法人で看護介護部長を務める看護師の川上和美さん(54)は、東京都の感染者数の増加や選手ら大会関係者への感染の広がりを懸念。「以前の流行の波よりも状況は悪くなる恐れがある。開催自体が人命軽視のように思えてならない」と危機感をあらわにした。

 県水泳協会会長の辛木秀子さん(67)=中央区=は、熊本市へのドイツ競泳チームの事前合宿誘致などに尽力した。「選手たちの中にも感染への不安がぬぐえない人がいるのではないか。大事な大会でモチベーションに影響しないか心配」と思いやった。

 一方で「政府のワクチン供給の遅れや、7月に入ってからの無観客決定など、対応が後手に回った感は否めない」と残念がった。

ウエアやタオルなど東京五輪の公式商品を販売しているハヤカワスポーツ上通本店=22日、熊本市中央区

 五輪関連のウエアやグッズの販売は低調という。中央区のハヤカワスポーツ上通本店店長の木村弘法さん(49)は「パブリックビューイングの中止など、集まって観戦することへの自粛ムードもあり、グッズはあまり売れていない。開幕後に関心が高まればいいが」と期待した。

 合志市の家電販売・工事会社「サンエコライフ」では、開幕を前に昨年より1割ほどテレビの売り上げが伸びたという。50㌅以上の大型が人気で、同社専務の石原健一郎さん(48)は「五輪中継に備えてレコーダーを買い替える人もいる」。

 ただ昨年、市が発行した商品券や国の特別定額給付金の影響で家電の買い替えが既に進んでおり、「五輪需要をチャンスと捉えていたが、予想より伸びなかった」と話す。

東京五輪のボクシングチケットの抽選販売で、当選を知らせる画面。開催直前に無観客が決まった

 熊本市北区の大学4年生、勝未来生[みきお]さん(21)は「周りの大学生とも東京五輪の話題は少なく、始まる実感が持てない」。1人暮らしの中央区の大学2年生、大隈沙希さん(19)は「五輪は毎回楽しみだが、今回は感染防止のため友人と電話をつなぎながら部屋でテレビ観戦を楽しむ」と話した。

 県ボクシング連盟副理事長の西村日出生さん(58)=八代市=は2年前、観戦チケット販売の抽選に当たり、8月6日に国技館でボクシングを観戦する予定だった。それが直前になって無観客に。「残念だ。ただ、選手の家族も生で観戦できないと聞く。本当につらいだろう」と思いを巡らせた。(隅川俊彦、川野千尋、深川杏樹)

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