MINAMATAに関心を 英語の漫画本、米で出版 原作者・ウィルソンさん「多くの人の目に」

熊本日日新聞 | 2021年07月23日 10:44

水俣病をテーマにした漫画を米国で出版したショーン・ マイケル・ウィルソンさん=熊本市中央区

 英国出身で熊本市中央区の漫画原作者、ショーン・マイケル・ウィルソンさん(51)がこのほど、水俣病をテーマにした中・高校生向けの英語の漫画本を米国で出版した。

 タイトルは「THE MINAMATA STORY」(ストーンブリッジ出版)。ウィルソンさんはこれまでに、宮本武蔵や西郷隆盛、忠臣蔵、怪談などをテーマにした英語の書籍約40冊を手掛けている。環境問題に関心を持ち、自身が暮らす地域の問題ということもあって水俣病をテーマに選んだ。

 英国人と日本人の間に生まれ、熊本市で暮らす男子大学生「Tomi」が主人公。大学で水俣病問題について調べて発表することになり、同居する母と祖母が水俣市出身であることを知る。

 Tomiは、祖母と一緒に同市の小規模多機能事業所「ほっとはうす」などを訪問。胎児性水俣病患者らと交流し、子ども時代に経験したいじめの体験談に衝撃を受ける。医学研究者からも、水俣病問題が明らかになった当時の悲惨な状況などを聞き、他の学生らに発表するストーリー。

ウィルソンさんが原作を担当した漫画の一場面。メチル水銀の生態系での濃縮メカニズムを解説している

 漫画の中では生態系で濃縮されたメチル水銀が、食物を通じて摂取されることで病気になることなどを図解。胎児性患者の永本賢二さん(61)らが登場する。

 取材を通じ、患者が子ども時代に受けたいじめのエピソードが特に印象に残ったというウィルソンさん。「リアルな出来事としてストーリーに取り入れた。彼らがその後、いじめた相手を許したことに、とても感動した」と話す。

 水俣病の被害をテーマにした写真を世界に発信した故ユージン・スミスを描いた映画「MINAMATA」が世界で公開(国内では今年9月)されている。

 「水俣病問題に関心が集まるタイミングに、出版が偶然重なった。世界で二度と同様の環境破壊を引き起こさないため、多くの人に読んでほしい」とウィルソンさん。国内では大手ネット書店で購入できる。(山口尚久)

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