分断しない捜査、報道を 冤罪と犯罪、被害者巡り熊本大でシンポ

熊本日日新聞 | 2021年06月20日 15:31

冤罪被害者としての経験をパソコンの画面越しに伝える輿掛良一さん(手前)=19日、熊本市中央区

 「冤罪[えんざい]被害者と犯罪被害者を結ぶ」をテーマにした熊本大大学院人文社会科学研究部のシンポジウムが19日、熊本市中央区の熊本大であり、双方の被害者が分断されないような報道や捜査の在り方について考えた。

 4人が発言。オンラインで学生ら約100人が聞いた。

 8歳だった次男を交通事故で失った片山徒有[ただあり]さん(64)=東京都=は冤罪について「日本の裁判は、起訴されたらほぼ有罪になる。(裁く側は)無罪判決を恐れてはならない」と呼び掛けた。

 冤罪によって自由を10年以上奪われた輿掛[くつかけ]良一さん(65)=大分県=は無罪が確定した後も、過去の報道などから就職が困難だったと説明。「周囲の人たちの理解がないと社会復帰は難しい」と指摘した。

 無罪確定が大きく報じられる一方、真犯人が別人だったことを知らされた犯罪被害者の報道が少ないとして、輿掛さんは「報道量や支援の溝を埋めてほしい」とも訴えた。

 鹿児島県の大崎事件の再審を目指す鴨志田祐美弁護士(京都弁護士会所属)は「被害者の分断をなくすには、冤罪の具体的な背景を知ることが大切」と強調。熊本大法学部の岡田行雄教授は「国家が双方の被害者への補償や公的支援を充実させるべきだ」と述べた。(川野千尋)

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