「ゆけむり茶屋」地域の核に 小国町・わいた地区 観光、農業、福祉で魅力PR

熊本日日新聞 | 2021年06月20日 09:45

4月に再開した「ゆけむり茶屋」のレストラン=小国町
わいた温泉組合が運営する「ゆけむり茶屋」と、組合理事とレストランのスタッフら

 熊本県小国町西里のわいた地区が、町所有の温泉施設「ゆけむり茶屋」を核にした地域づくりを進めている。4月には茶屋内のレストランが再開し、秋には隣接する広場の景観整備も完了。住民らは多様な地域資源を活用しながら、「湯煙の立ちのぼる温泉郷」の魅力を磨き上げている。

 1999年開業のゆけむり茶屋は、地元のわいた温泉組合が指定管理者として運営する。2016年の熊本地震や団体旅行の低迷で売り上げは年々減少。19年2月には高齢化による人手不足で直営レストランを休業した。

 同年4月に石松裕治さん(47)が組合長に就くと、役員5人の報酬を全額カットするなど再建に着手。レストラン再開に向けて委託先を公募すると、町内で障害者が就労する飲食店を営む町社会福祉協議会が手を挙げ、4月から営業を始めた。

 5月の売り上げは、コロナ禍の中、目標を10万円上回る約70万円を達成。以前から人気だった、温泉熱を引いた釜で調理した蒸し野菜に加え、あか牛のローストビーフ丼、地元農家が栽培する黒大豆の煮豆が人気という。

 一方、茶屋に隣接する広場では、地元住民が出資する地熱発電事業者「わいた会」が景観向上に取り組む。17年以降、公衆浴場跡や古い消防小屋を撤去。「大地獄」と呼ばれる蒸気の噴出孔を雨から守るため、屋根で覆った。秋までには、観光客らが立ち上る蒸気を見ながらくつろげるベンチも整備する。

 わいた会代表社員の後藤幸夫さん(52)は「観光客の滞在時間を増やすことが、観光活性化につながる。地域が元気になることで、将来、地元に若い人が戻ってくれればうれしい」と話す。

 温泉組合と町社協は今後、茶屋を舞台にした福祉関連のイベントも計画。町社協は障害者による黒大豆の生産にも着手しており、複数の収益源を確保することで、障害者の所得向上も狙う。温泉組合長の石松さんは「観光だけでなく、福祉や農業といった多方面から地域の魅力をアピールできる。今後もわいた地区の魅力づくりに注力したい」と力を込める。(木村馨一)

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