「やるべきでない」「無観客で」 東京五輪・パラ、熊本県民の思い複雑

熊本日日新聞 | 2021年06月19日 08:00

まん延防止等重点措置が解除され、初の週末を迎えた下通アーケード。サラリーマンや若者の姿が目立った=18日、熊本市中央区

 菅義偉首相が出席した先進7カ国首脳会議は、13日の首脳声明で東京五輪の開催支持を表明した。17日には菅首相が、五輪・パラリンピックを国内の観客を入れて開く意向を表明。新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中、なし崩し的に五輪・パラ開催へと向かう流れに、熊本県民からは「こっちは制限を受けているのにやるべきではない」「やるなら無観客」などの声が上がった。

 18日夕、熊本市中央区の下通アーケード。政府の「まん延防止等重点措置」解除後、最初の週末で、スーツ姿の会社員の姿も。銀行に寄った男性会社員(22)=中央区=は「五輪はやらない方がいい」ときっぱり。「海外から大勢の選手が来て感染拡大しないわけがない。不安が広がる中でメダルを取っても、選手も素直に喜べないと思う」

 中央区新市街の居酒屋「酒湊[さかそう]」は、重点措置中は店を閉め、解除後の14日に再開。県による午後9時までの時短要請に従い、感染対策を徹底しながら客を迎える。広報担当の女性(23)は「この1年、時短を何度も繰り返した。五輪どうこうよりも、早く普通に戻りたいというのがスタッフの思い」と語った。

 「孫の運動会も制限されて応援できなかったのに、『五輪はやってもいいのか』という気持ちだ」というのは天草市の男性(72)。「五輪に使う金があるなら、打撃を受けている飲食店や旅館などの支援を優先すべきだ」と訴えた。

 熊本市北区の男性(73)はスポーツが大好きだが、新たな変異株が出て、ワクチンの効果も分からないような状況で開催するなら「熱も冷める」という。「野球や陸上100メートルを楽しみにしていたが、今の状況では開催しても素直に喜べない」

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志は18日、「無観客開催は、リスクが最も低く望ましい」と提言した。

 フットサルチームに入っている熊本学園大3年の男子学生(20)=益城町=は「選手の気持ちを考えると開催だが、無観客にしてほしい」。大学の講義の多くは現在もオンライン授業だという。「五輪でもデジタル技術を駆使して、遠隔で観客の声援を選手たちに届けることができればいいのだけれど」と話した。(臼杵大介、川野千尋)

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