国内初、新生児検査で難病発見 熊本大とKMバイオ

熊本日日新聞 | 2021年06月17日 11:30

中村公俊教授

 熊本大大学院生命科学研究部の中村公俊教授とKMバイオロジクス(熊本市)らの研究グループは16日、国内で初めて、新生児スクリーニング検査で無症状の脊髄性筋萎縮症(SMA)の患者を発見したと発表した。発症前に遺伝子治療薬を投与し、治療にも成功した。

脊髄性筋萎縮症 発症前治療に成功

 SMAは遺伝子の異常で、筋力低下や筋萎縮が起こる進行性の難病で、重症型の場合は生後半年までに発症。人工呼吸器を必要とし、治療を行わないと多くは2歳までに死亡するという。国内では昨年、遺伝子治療薬への保険適用が始まったが、効果を高めるためには発症前の治療が重要とされ、早期発見が課題だった。

 研究グループは、出生直後に新生児から少量の血液を採取し、先天性疾患などを調べる新生児スクリーニングに着目。PCR法を利用し、検査済みのろ紙からSMAをスクリーニングする基盤技術を開発した。2月から県内でSMAスクリーニングを開始。4月、SMAの疑いがある赤ちゃんを発見した。

 発見時点で赤ちゃんは無症状だったが、その後の遺伝子検査などでSMAと診断。発症前の5月に、遺伝子治療薬を投与した。現時点で症状はみられないという。

 SMAのスクリーニングは現在、熊本のほか、千葉県など限られた地域でしか実施されていない。早期発見で根治も期待されるとして、中村教授は「検査が公費で受けられるようになり、全国に広まってほしい」と話している。(平澤碧惟)

新生児スクリーニング検査 新生児から少量の血液を採取し、代謝異常など先天性希少疾患の有無を調べる検査。生後4~6日目の全ての新生児が対象。1977年に自治体の公共事業として始まり、現在では少なくとも20疾患が対象となっている。

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note