川辺川のダム建設で環境影響調査に着手 国交省が専門家委員会

熊本日日新聞 | 2021年06月17日 07:50

オンラインであった「流水型ダム環境保全対策検討委員会」の初会合であいさつする国土交通省九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所の竹村雅樹所長(手前左から2人目)=16日、相良村

 昨年7月の豪雨で氾濫した熊本県の球磨川の治水を巡り、国土交通省は16日、支流川辺川で検討中のダム建設が環境に与える影響の調査に着手した。専門家組織「流水型ダム環境保全対策検討委員会」を設置し、初会合を開催。国交省は委員会の検討結果や市町村長、知事、大臣の意見を踏まえ、必要な環境保全措置などを決定する。時期は未定。

 建設を検討しているのは治水専用の流水型ダム。国交省は、1999年に環境影響評価(アセスメント)法が施行される前から、従来の川辺川ダム計画の関連工事に着手しているため、新たなダム建設は法的アセスの対象外との見解を示した。ただ、蒲島郁夫知事の要望なども踏まえ、アセス法と同等の調査をすると表明した。

 検討委は、鳥類や魚類、植物などの専門家10人で組織。アセス法と同様の評価項目を設定し、ダム建設が環境に与える影響の調査や予測をする。2021年度は動植物について調査するとした。

 アセス法にならって検討委では、4段階のリポートを作成する。ただ、第1段階の「配慮書」に相当する「環境配慮レポート」の公表時期も含め、長期的なスケジュールは未定とした。

 初会合はオンラインであり、楠田哲也九州大名誉教授を会長に選んだ。委員からは「ダム計画が貯留型から流水型に変わったことで留意する点をもっと議論すべきではないか」「土砂がどこにどの程度流れるのか、基本情報がないと環境への影響は見通せない」といった意見が出た。

 従来の川辺川ダム計画は、蒲島知事や流域首長らの反対により、国がいったん中止を表明した経緯がある。流水型ダムの建設については流域住民の賛否が割れており、法に基づかない環境影響調査の意義や根拠を疑問視する声もある。(澤本麻里子)

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