水没した御神刀、輝き復活 熊本豪雨被災の青井阿蘇神社

熊本日日新聞 | 2021年06月17日 15:54

青井阿蘇神社の福川義文宮司(右)に修復した御神刀「青井大明神」を手渡す刀剣技師の木村匠多さん=人吉市
青井阿蘇神社に返納された御神刀「青井大明神」=人吉市

 昨年7月の熊本豪雨災害で水没し、さびてしまった国宝・青井阿蘇神社(人吉市)の奉納刀77振りのうちの1振りが16日、修復作業を終え、神社に返納された。

 返納されたのは水没した刀剣のうち唯一の御神刀「青井大明神」で、長さ約60センチ、最大幅約4センチ。同神社で神仏を分離する改革があった1665年、相良家の安泰を願った家臣が神社に奉納した歴史がある。

 豪雨災害では、刀剣77振りが保管されていた刀たんすが浸水。赤さびが発生し、本来の輝きを失った。同神社は昨年8月からクラウドファンディングで修復資金を募集。同9月中旬までに、国内外約3300人から3500万円以上の修復費用が集まった。

 青井大明神の修復は八代市の刀剣技師、木村匠多さん(30)らが担当。木村さんは1日8時間以上掛けて、砥石[といし]などでさびを少しずつ落としていった。

 この日は、木村さんら4人が同神社を訪問。支援者135人の名前が記された白鞘[さや]に収めた青井大明神を、福川義文宮司(57)に手渡した。福川宮司は「被災前より輝いた姿で戻ってきて神様も喜んでいる。復興の先駆けになればうれしい」と笑顔だった。

 全ての刀剣の修復には約10年かかる見通し。木村さんは「今後も刀と向き合って丁寧に作業を続けたい」と力を込めた。(小山智史)

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