「川辺川ダムより河川掘削を」 元熊本県職員が会見

熊本日日新聞 | 2020年12月18日 10:19

ダム建設より河川掘削の方が効果は高いと訴える元県職員の南由穂美さん=17日、県庁
ダム建設より河川掘削の方が効果は高いと訴える元県職員の南由穂美さん=17日、県庁

 京都大工学部で学んだ知識を河川行政に生かしてきた元県職員の南由穂美[ゆほみ]さん(69)=熊本県八代市=が17日、県庁で記者会見し、7月の豪雨を受けて議論が進む川辺川でのダム建設について「河川掘削がより効果的でコストも低い」と訴えた。

 県を退職した南さんは土木技術のコンサルタント会社を経営。川辺川ダムに反対する市民団体と球磨川の治水を検証している。

 会見では、人吉市中心部の球磨川を200メートルの川幅で3メートル深く掘削すれば、流量を毎秒3600トン増やせるとの試算を説明。国が川辺川ダムでカットできるとした2800トンを超えるとした上で、「約240億円の工費はダム建設の10分の1以下だが、県はこれまで有効性を検証していない」と指摘した。

 河川掘削は県が策定を進める球磨川の「流域治水計画」にも盛り込まれる予定だが、具体的な区間などは今後まとまる見通し。(堀江利雅)