打ち手確保、難航も 熊本県内 ワクチン接種拡充で「人的資源もう限界」

熊本日日新聞 | 2021年06月10日 15:52

熊本市の新型コロナウイルスワクチン集団接種会場の熊本城ホール。21日からは接種枠が拡充され、平日も開設される=5月29日、熊本市中央区

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種について、熊本市は21日から、熊本城ホール(中央区)での集団接種を拡充する。1日の接種枠を4倍の最大2400人まで増やし、平日も開設する。一方、企業や大学での「職場接種」も同日始まる。県内でも今後、医師や看護師など打ち手の確保が困難になる可能性が出てきた。

 熊本城ホールでは21日~8月1日、終日接種する予定で、予約枠は計4万1千人。高齢者接種の7月末完了を目標に加速化を計る。

 市によると、期間中に少なく見積もっても延べで医師約600人、看護師2千人超が必要という。2400人に接種する場合、1日当たり医師16人と看護師56人のほか、事務スタッフを配置しなければならない。

 市医師会は市の要請に応じて、医師延べ168人を確保した。1日当たり最大12人が休診日や土・日曜などに従事する予定という。そのほか、市内の公的病院と県外の人材バンクにも依頼し、「集団接種分は医師も看護師も過不足なく確保できる」と市は説明する。

 看護師の調整を担う「ナースパワー人材センター」(同市)の幅丈時[はばたけとき]所長は「接種への関心が高まっており、休日に参加したいという看護師や、資格はあるが勤務していない『潜在看護師』が積極的に応募してくれている」と話す。

 ただ、政府が企業や大学での職場接種を打ち出したことで、県内でも高齢者と同時進行で接種が進む見込みとなった。打ち手の確保は喫緊の課題だ。

 県などによると、県内でもすでに職場接種を申請した企業があるほか、ナースパワーにも、複数の県内企業から問い合わせが寄せられているという。「今後の一般向け接種などを含めると、どれだけの看護師が必要になるのか見当がつかない」と幅所長は話す。

 熊本市医師会の奥村宣文会務課長補佐は「同時進行で接種がさらに増えれば、対応できるか分からない。市内の医療の人的資源はもう限界だ」と危機感を募らせる。市は、政府が打ち手として認めた歯科医師について「今後必要なタイミングで協力を仰げるよう、歯科医師会とも連携している」と明かした。(内海正樹、志賀茉里耶、枝村美咲)

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note