給食センターを共同運営 荒尾市と長洲町、財政負担軽減で

熊本日日新聞 | 2021年05月30日 16:00

新学校給食センターの建設予定地。左奥は現在の給食センター=荒尾市
荒尾市と長洲町が共同整備する給食センターの完成イメージ図

 熊本県の荒尾市と長洲町が共同で整備する新学校給食センターの建設が、7月に始まる。荒尾市教育委員会によると、自治体の枠を超えて給食センターを整備、運営する県内初の取り組み。財政負担の軽減を図りながら、学校給食の提供で自治体が連携する先進的な事例として注目を集めそうだ。

 荒尾市は2008年から、隣接する長洲町の学校給食業務を年3100万円で受託している。同市増永にある現給食センターは開設から49年が経過。施設の老朽化に伴い、両自治体が効率性と機能性を高めた新施設整備に向けて、準備を進めてきた。

 22年9月の稼働を目指して現地に建て替える新施設は、鉄骨2階建て。延べ床面積は3387平方メートルと現在の2・4倍に拡大し、食物アレルギー対応の調理室、調理の様子を見学できる食育展示室も設置する。総事業費は約29億円。

 提供可能食数は、1日当たり県内最大級の6千食。稼働後、両自治体の小中学校に県立荒尾支援学校を加えた計20校の児童と生徒約5200人、教職員約500人に提供する。施設内に非常用発電機を備え、停電が発生した場合も6千食の米飯を1日2回、3日間提供できる災害対応機能も持たせた。

 最大の利点は、共同整備による財政負担の軽減だ。児童生徒数などを基に計算した事業費の負担割合は、荒尾市が4分の3、長洲町が4分の1の計画。

 荒尾市は、単独で給食センターを整備するよりも初期投資を約2億円圧縮できると試算。長洲町は年間運営費こそ現在より増える計算だが、「同じ負担金では同規模の施設をとても整備できない。衛生面の向上やアレルギー対応など、子どもたちへのメリットも大きい」と強調する。

 給食の経営管理に詳しい県立大環境共生学部の中嶋名菜准教授(食健康環境学)は「将来的に子どもの数が減る中、給食センターの合併は今後も自治体の選択肢の一つになる」と、共同整備が実現した荒尾市と長洲町の事例を評価する。

 今後、地元食材をより多く使った食育推進を期待する一方、「一施設で作る給食の量が多くなれば、食物アレルギーや衛生面に対しては、より慎重な対応が必要となる」と指摘している。(樋口琢郎)

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