五輪海外選手との交流縮小へ コロナ対策と両立厳しく 熊本県内ホストタウン、受け入れ準備

熊本日日新聞 | 2021年05月27日 16:06

2018年の競泳ワールドカップ東京大会前に熊本で合宿したドイツの選手たち。歓迎の歌を歌った日吉中の生徒たちにピンバッジを渡した=熊本市のアクアドームくまもと

 東京五輪開幕まで2カ月を切り、各国代表のホストタウンに手を挙げた全国の自治体で、受け入れを断念する動きが広がっている。新型コロナウイルスの感染防止対策と交流を両立するのが難しくなったためだが、熊本県内の自治体は不安を抱えながらも受け入れ準備を進めている。

 ホストタウンは五輪に参加する海外選手らと自治体の交流を促進し、国際親善や地域活性化を図る取り組み。県内ではインドネシアのバドミントン代表十数人のほか、アンゴラのハンドボール女子代表約20人、ドイツの水泳チーム40~50人が事前合宿を予定している。

 インドネシアを担当する県は「現地のバドミントン協会からは『当初の予定通り、熊本で事前合宿をしたい』と聞いている」として、万全の受け入れ態勢を整える構え。選手団側も来日前にワクチン接種を済ませる方向で調整を進め、同行スタッフの数は大幅に減る見込みという。

 県と、アンゴラを受け入れる玉名市、ドイツを担当する熊本市は、選手団の移動を宿舎と練習会場の往来のみに限定し、感染の有無を調べるPCR検査を連日実施する予定。県は「県民にも選手にも安心してもらえる態勢をつくる」。玉名市の担当者も「仮に陽性反応者が出た場合の入院対応など、さらに課題を詰める」と準備を急ぐ。

 一方、ホストタウン誘致の大きな柱だった交流事業は、いずれも縮小する方針。熊本市は「離れた位置からの練習見学、オンライン交流などができないか検討している」という。五輪閉幕後にバドミントンの台湾代表を迎える予定だった八代市は「具体的には何も決定していないが、現在の感染状況を考えると、来熊そのものが難しいかもしれない」と気をもむ。

 今月中旬の共同通信の世論調査では、五輪の「中止」を求める声が59%に上った。ホストタウン事業は逆風にさらされ、誘致当初のメリットが薄れつつある。県の担当者は「さまざまな意見があるのは承知している。ただホストタウンを機に、五輪後も長期にわたる交流につながると考えている」と理解を求める。(野方信助、萩原亮平)

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