特養の4割、洪水浸水想定区域などに立地 「千寿園」被害受け、国が全国調査

熊本日日新聞 | 2021年05月19日 10:03

昨年7月の豪雨で浸水した特別養護老人ホーム「千寿園」(手前)=2020年7月9日、球磨村渡(池田祐介)

 全国の特別養護老人ホーム(特養)の立地状況を国土交通省と厚生労働省が調査した結果、質問に回答した施設の43%が水防法上の洪水浸水想定区域か、土砂災害防止法上の土砂災害警戒区域のいずれか、または双方に立地していることが18日分かった。

 昨年7月の豪雨で14人が犠牲となった熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の被害を受け調査した。都道府県・政令市別の内訳は未集計。

 回答した7531施設のうち、洪水浸水想定区域での立地は2048施設、土砂災害警戒区域は1085施設だった。双方の区域に立地していたのは106施設あった。

 洪水浸水想定区域に立地する施設のうち2施設は、ハザードマップなどに基づく浸水の深さが20メートル以上。10メートル以上20メートル未満は10施設あった。

 これらには含まれないが、被災前の千寿園は双方の区域に立地。浸水の深さは10メートル以上20メートル未満と想定されていた。

 洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域での特養の新設は、都市計画法によって制限される。一方、既存の施設については移転する場合の費用を補助しているのが現状という。

 千寿園の被災後、避難確保の実効性を高めるため国が設置した有識者らの検討会は今年3月、災害に応じた避難計画の作成徹底やエレベーターやスロープの設置、垂直避難に必要な設備の確保などの対策を提言。県などを通じて各施設に通知した。

 国交省河川環境課は「調査では千寿園が特別な環境にあったわけではなく、同じような環境の施設が多いことが浮き彫りになった。検討会の提言を踏まえ対策を強化したい」としている。(嶋田昇平)

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