九州地銀3グループとも減益 コロナ影響、与信費用かさむ

熊本日日新聞 | 2021年05月19日 06:59

 九州の地銀3グループの2021年3月期決算は、純利益がいずれも減益となった。九州フィナンシャルグループ(FG)と西日本フィナンシャルホールディングス(FH)は、新型コロナウイルスの影響で貸し倒れに備える与信費用が増加したことで利益が圧迫された。22年3月期も、コロナ禍の行方が業績に影響を与えそうだ。

 肥後銀行と鹿児島銀行の九州FGは21年3月期の与信費用が前期比130億円増の141億円だった。「リーマン・ショック後並み」の90億円としていた当初の予想を上回った。

 笠原慶久社長は「コロナの影響が長期にわたり、深刻な状況。大口を含めて、かなり保守的に(与信費用を)引き当てた。実際には破綻は起きていない」と強調。22年3月期も120億円を見込んでおり、引き続き業績の重荷となる可能性がある。

 西日本FHも、中核の西日本シティ銀行の21年3月期の与信費用が前期比31億円増の84億円。同行も「コロナ禍に伴う景気悪化を見越し、従来より厳しく引き当てた」と話す。22年3月期は60億円となる見込みだ。

 一方、熊本銀行などを傘下に置くふくおかフィナンシャルグループは、21年3月期の与信費用が前期比611億円減の3億円にどどまった。柴戸隆成会長兼社長は「倒産が少なく、また前の期にフォワードルッキングで引き当てた要因がなくなったため」と説明する。

 フォワードルッキングは、将来の経済を予測して予防的に貸倒引当金を算定する手法。ふくおかFGは金融庁の金融検査マニュアル廃止を背景に、同手法を導入した前期に与信費用が614億円に膨らんでいた。前期に十八銀行との経営統合に伴う特別利益を計上した反動で、最終利益は減益となった。

 3グループの22年3月期はふくおかFGと西日本FHが増益、九州FGは減益を予想。ふくおかFGの柴戸会長兼社長は「ワクチン接種が進めば、景気が緩やかに回復していくシナリオを描いている」。九州FGの笠原社長は「コロナ禍の影響を受ける業界とデジタル化の波に乗る業界で二極化している。必要ならば業態転換を含めて取引先の事業継続を支援し、地域の雇用を守りたい」と語る。(宮崎達也、中原功一朗)

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