高齢者接種、慎重対応も スタッフ不足、混乱警戒 熊本県内のコロナワクチン

熊本日日新聞 | 2021年05月11日 15:40

新型コロナウイルスワクチンの集団接種を受ける多良木町の高齢者=10日午後、同町民体育館(坂本明彦)

 新型コロナウイルスワクチンの一般高齢者向け接種は10日、5市町村が予約受け付け、1町が接種を始めるなど、熊本県内各地で予約や接種が本格化した。各自治体は「第4波」の感染急拡大で「一刻も早くワクチンを」との切実な声に接種を急ぐ一方、限られた供給と現場の混乱を見越して時期を慎重に見極めるところもあり、対応が分かれている。

 一般高齢者の接種を10日に始めた多良木町は、行政区ごとに集団接種を進める計画。初日は140人が対象で、会場の町民体育館には午後1時の受け付け前から行列ができた。一番乗りで接種を済ませた女性(83)は「待ちに待ったワクチン。痛くもなく、あっという間に終わった。これで少しは安心できる」とほっとした様子。

 玉東町は既に、接種日を指定した予約券を年齢が高い人から順に配り、町内唯一の医院で接種を進めている。接種当日のキャンセルも想定し、前もって急な呼び出しに応じられる人を募集するなど、廃棄ワクチンを出さない工夫も凝らす。

 県内自治体で一般高齢者の予約や接種が本格化する一方、長洲町は予約受け付けを5月下旬、集団接種を6月中旬に始める予定。時期がずれ込むことについて町保健センターは「まずは高齢者施設入所者らへの接種を優先している。一般高齢者は、ある程度ワクチンの量を確保した上で予約を始めたい」と慎重だ。

 和水町は医療スタッフ不足を理由に、一般高齢者への接種開始を6月7日に設定した。5月10日に始めた施設入所者への接種完了まで約1カ月かかる見込みで、「一般高齢者への接種を同時に進めるのは難しい。医療現場が混乱しないことを優先した」と話す。

 津奈木町は、医療スタッフへの接種終了を待って、20日から施設入所者への接種を始める。町は「重症化リスクが高い高齢者に接する医療従事者への接種を優先した。感染拡大を防ぐとともに、不安が生じないよう配慮した」と説明。一般向けの予約は6月1日から受け付ける。

 高齢者向けワクチンの一部を医療従事者に転用して接種した天草市は、これまでに全ての医療従事者が1回目の接種を終えた。施設入所者への接種は5月中旬、一般高齢者は下旬から始められる見通しだ。「高齢者と医療従事者の双方の安心につながる必要な判断だった」と市健康増進課。高齢者が接種を希望する医療機関の事前把握を進めており、「スムーズな接種につなげたい」としている。(新型コロナワクチン取材班)

記事アクセスランキング

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note